馬は仲間気遣う生き物です。

もう遥か昔のことになってしまいました。
大学を卒業した私は、競走馬の産地の日高地方の浦河町に就職しました。
その頃のお話です。
日本有数の馬産地とあって、サラブレッドをいたるところ見る、というよりも自然と目に入ってくる環境でした。
ある日、両サイドは馬の牧場だらけの道で車を走らせていたとき、とある牧場の牧柵のそばで若馬たちが、なんだかそわそわした雰囲気で集まっているのが目に飛び込んできました。
5〜6頭いたでしょうか。
そのただならぬ様子に、集まっている馬たちの中心をよく見ると、1頭の馬が牧柵の一番したに張ってあったロープに、後ろ肢を絡めて身動きできない状態になっていたのです。
他の馬たちは、その馬が心配で右往左往していたのです。
馬たちの会話を聞くことができたとしたら、
ロープに絡まっている馬:「助けて!!助けて!!肢がロープに絡まって身動き取れないよー!!」
仲間の馬たち:「わー、どうしよう!どうしよう!」「だれか何とかできないの!」「そう言われても、僕らじゃどうしようもないよ!!」
そんな会話が聞こえてきそうな雰囲気でした。
もちろん、私は、すぐさま車から降りて、離接した牧場主の家に駆け込みました。
なので、事なきを得たのですが、そのときに見た光景は未だに鮮明に焼き付いています。
『馬も仲間を気遣う生き物なのだ』ということを目の当たりにした出来事でした。
 
そして昨日、新しい馬とのコミュニケーション法を使ってグランドワークをし終えたとき、「馬と繋がった感」があったのですが、その瞬間、その馬が、一昨日別の馬に足を踏まれて痛めた左足を、さも気遣ってくれるように、鼻面でツンツンしてきたのです。
普段はそんなこと、まったく見せない行動です。
その子は、私が左足を痛めているなんてこと知る由もありません。

上記のような、北海道での経験があったので、その行動に「この子は私の痛めた足を気遣ってくれてるんだ」と感じたのと同時に、「仲間として認めてくれたんだ」と感動したのでした。

馬には間違いなく、人間の「何か」を読み取る能力があります。

その能力を利用したこの新しい馬へのアプローチ法は、不思議と馬がリラックスします。
そんなお話もこれからしていきます。

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